とっておきの地域密着ビール

はじめに、みなさんに質問です!ビールがなにから造られているか知っていますか・・・?

まず、ビールの原料は、4つあります。それぞれの国によって異なった使い方がありますが、日本では酒税法により、麦芽・ホップ・酵母・水のほかに副原料として、米・とうもろこし・でんぷん・糖類等を使用することができます。麦芽は発酵により炭酸ガスとアルコール、そしてビールの香りや味の成分を形成し、ホップの成分はビールの苦味と香りを生み出すことで、ビール独特の味わいが誕生します。麦芽やホップの種類によってビールの味は大きく変わるので、原料選びはとても大切です。それぞれのビールに使用された原料(水を除く)はラベルなどに表示されています。

麦芽(モルト)
麦芽は大麦を発芽させてから焙燥(ばいそう)させたものです。大麦は発芽すると種子中の糖化酵素(アミラーゼ)が活性化します。この酵素は麦芽に含まれるデンプンを糖に変えることができます。酵母がビールを発酵させるためには糖が必要なので、この酵素の働きはビールづくりに欠かせません。低温でじっくり乾燥させる、高温で焦がしながら乾燥させるなど、焙燥方法を変えることで、多彩な表情の麦芽をつくることができます。

ホップ
ホップはつる性の植物で、雌しべは松かさに似た花のような形をしています。ビールづくりに用いられるのがこの「毬花(まりはな)」。香りづけや苦みづけはもちろん、泡持ちをよくするなど、ビールづくりにおいて重要な役割を担っています。ホップの品質改良は世界中でおこなわれており、華やかな香りのもの、苦みが強いものなど、個性的な品種がどんどん登場しています。

酵母
酵母は、発酵をおこなう微生物です。酵母が麦芽の糖分を食べることで、アルコールと二酸化炭素(炭酸ガス)、そして香りのもととなるエステルが生み出されます。


ビールの約90%を占めているのが、水です。一般的に、ラガービールには「軟水」、エールビールには「硬水」が向いていると言われています。エールビール発祥の地バートン・オン・トレントの水は「超硬水」と呼ばれ、ミネラル分を豊富に含んでいます。

原料の組み合わせによって、ビールの色・香り・味わいが決まります。

水の硬さによる違い
日本は全土で軟水が出ます。しかし世界に目を向けると、軟水が出る地域と硬水が出る地域があります。その水の硬さ(pH値)により、出来上がりのビールの色が変わります。おおまかに表すと軟水→ゴールドカラー、硬水→赤褐色になります。
※硬水にはミネラル分が多く含まれているためにこのような作用があります。

麦芽の種類による違い
麦芽にも色の濃いものや薄いものがあります。ウインナーモルトを使うと赤色の出来上がりに、クリスタルモルトを使うと明るいゴールドカラーにと言うように、モルトの種類による色の変化と味わいの違いを楽しめます。また、乾燥ののちによる色の違いもあります。
しっかりと焙煎すると、焙煎香を楽しめるコーヒーやビターチョコのような味わいのドイツのシュバルツスタイル(黒ラガー)の様に、燻製させることで薫香をつける、ラオホスタイルと言うものもあります。

副材料による違い
ビールは、「麦芽、酵母、水、ホップ」を原料に造られます。それ以外を “副原料”とまとめて呼びます。
ビールを造る過程で、フルーツの果汁(副原料)を入れて醸造されるビールもあります。ベルギーのランビックと呼ばれるスタイルが有名です。ちなみに日本だと、発泡酒扱いになります。