はじめに
インディア・ペール・エール(IPA)は、クラフトビールの中でも特に人気が高いスタイルです。
その誕生は18世紀の英国に遡り、長い航海を耐えるために作られました。
PAの特徴は強烈なホップの苦味とアロマで、アメリカンIPAやヘイジーIPAなど、さまざまなバリエーションが存在します。
本記事では、IPAの歴史からその多様な種類、醸造方法、料理とのペアリング、導入のメリットまで、詳しく解説します。
1. IPAの起源:クラフトビールの歴史に迫る
1-1. インディア・ペール・エールの誕生
インディア・ペール・エール(IPA)の誕生は18世紀後半の英国に遡ります。
インドでの駐在英国人へのビール供給が課題となっていた時代、長い航海に耐えるためにアルコール度数とホップ量を増やしたビールが誕生しました。
このビールはインディア・ペール・エール(IPA)と呼ばれるようになり、ホップの苦味と香りが特徴です。
このように、IPAの誕生は、保存性を高めるための工夫がきっかけでした。
1-2.地元経済のサポート
次にクラフトビールは地元経済の活性化にも大きく寄与していることも理由の一つです。
多くの醸造所が地元の農産物を使用してビールを製造しており、地域の農業を支援しています。
例えば、北海道の「ソラチエース」というホップを使用したビールは、地元の農業と連携しながら製造されています。
また、地元のクラフトビールを使ったイベントも近年多く開催されています。
福岡で開催される「九州クラフトビールウイーク」では、九州各地のクラフトビールが一堂に会し、地域の文化と経済を盛り上げるイベントとして注目を集めています。
このように、地元経済の活性化にもクラフトビールが寄与していると言えます。
1-2. アメリカンIPAの誕生と進化
アメリカンIPAは20世紀後半、特に1980年代から1990年代にかけて、米国のクラフトビールブームと共に進化しました。
アメリカの醸造家たちは、独自のホップ品種を使用し、強烈なアロマとフレーバーを持つIPAを開発しました。
特にカスケードホップを使用したビールが代表的です。
これにより、アメリカンIPAは英国の伝統的なIPAとは異なる、フルーティで花のような香りが特徴となりました。
2. IPAの種類と特徴は?
それでは次にIPAの種類とそれぞれの特徴について解説していきます。
IPAの中に幾つかの種類があり、その特徴も様々です。
是非それぞれの特徴を理解した上で、好みのIPAを見つけてみてください。
2-1. クラシックIPAとモダンIPAの違い
クラシックIPAとモダンIPAは、それぞれ異なる特徴を持っています。
クラシックIPAは、英国で誕生した伝統的なスタイルで、モルトの甘みとホップの苦味がバランス良く調和しています。
色はゴールドからアンバーで、アルコール度数は5-7%が一般的。
一方、モダンIPAは、アメリカを中心に発展し、より強烈なホップの香りとフレーバーが特徴です。
フルーティーで柑橘系のアロマが強く、ドライで軽い口当たりが多いです。
2-2. セッションIPA、ダブルIPA、トリプルIPAの違い
セッションIPAは、アルコール度数が低め(3-5%)で、軽やかな飲み口が特徴です。
長時間にわたって楽しむことができるため、飲みすぎを防ぎつつ、ホップの風味を楽しみたい方に適しています。
ダブルIPA(DIPA)は、アルコール度数が高め(7-10%)で、ホップの苦味とアロマが強烈です。
しっかりとしたボディと濃厚なフレーバーが特徴で、濃い味付けの料理とも相性が良いです。
トリプルIPAは、さらにアルコール度数が高く(10%以上)、非常に強いホップの風味が特徴です。ビール愛好者やホップの強烈な味わいを求める顧客に人気です。
2-3. ヘイジーIPAとウエストコーストIPAの違い
ヘイジーIPA(ニュイングランドIPA)は、濁った外観とジューシーなフレーバーが特徴です。
ホップの苦味は控えめで、フルーティーなアロマが前面に出ており、口当たりも滑らかです。
視覚的にもユニークで、インスタ映えするビールとして人気があります。
一方、ウエストコーストIPAは、クリアな外観と強烈なホップの苦味が特徴です。
松や柑橘系のアロマが強く、ドライでクリスプな後味が楽しめます。
クラシックなIPAを好む顧客には、ウエストコーストIPAがぴったりでしょう。
3. IPAの醸造方法:独自のフレーバーを生み出す秘訣
それではIPAはどのようにして醸造されているのでしょうか。
ここでは個性が様々のクラフトビールの中でもIPAの醸造工程について紹介していきます。
3-1. ホップの選び方と使用方法
IPAの独特なフレーバーは、使用するホップの選び方とその使用方法に大きく依存します。ホップはビールに苦味とアロマを与える重要な成分であり、IPAでは特に多量のホップが使用されます。
例えば、アメリカンIPAではカスケード、シトラ、シムコーなどのホップがよく使われ、これらは柑橘系やトロピカルフルーツのアロマをビールに与えます。
ホップの添加タイミングも重要で、ボイル段階で加えることで苦味が強くなり、発酵後や冷却段階で加えることでアロマが強調されます。
この技術を「ドライホッピング」と呼び、IPAの特徴的な香りを生み出す鍵となります。
3-2. 発酵と熟成のプロセス
IPAの醸造には、発酵と熟成のプロセスも重要な役割を果たします。
発酵は酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に変える過程であり、IPAの場合、通常のエール酵母が使用されます。
発酵温度は18〜22℃が一般的で、発酵期間は1〜2週間です。
発酵が完了した後、ビールは熟成段階に移ります。
熟成期間はIPAのスタイルによって異なりますが、通常は数週間から数ヶ月です。
この間にビールの味わいが丸みを帯び、フレーバーが安定します。
熟成期間中に追加のドライホッピングを行うこともあり、これによりホップのアロマがさらに強調されます。
3-3. フレーバーとアロマのバランスを取る方法
IPAの魅力は、その強烈なホップのフレーバーとアロマにありますが、これをバランスよく仕上げることが重要です。
ホップの苦味が強すぎると飲みづらくなり、アロマが強すぎると香りだけが際立ちます。
バランスを取るためには、モルトの選び方や使用量も考慮する必要があります。
モルトはビールのボディと甘みを提供し、ホップの苦味と調和します。
例えば、クリスタルモルトやキャラメルモルトを使用することで、ホップの強烈な苦味を和らげ、ビール全体のバランスを保つことができます。
また、酵母の選定や発酵温度の調整も、フレーバーのバランスに影響を与える重要な要素です。
4. IPAの楽しみ方:料理とのペアリングアイデア
4-1. スパイシー料理との相性
IPAはその強いホップの苦味と香りが特徴であり、スパイシーな料理との相性が抜群です。
例えば、カレーやメキシカンタコスなど、辛味のある料理とIPAを組み合わせることで、ホップの苦味が辛味を和らげ、ビールのフルーティなアロマが料理の風味を引き立てます
特に、ヘイジーIPAやフルーティなアメリカンIPAは、マンゴーやシトラスのノートがスパイシーな料理と絶妙にマッチします。
4-2. チーズとのペアリング
IPAとチーズのペアリングも人気の組み合わせです。
IPAの苦味とアロマは、チーズの濃厚な風味とバランスを取り、相互に引き立て合います。例えば、ブルーチーズやチェダーチーズのような強い風味のチーズは、ダブルIPAの強烈なホップの風味と相性が良いです。
また、ゴーダやブリーチーズなどのクリーミーなチーズは、セッションIPAの軽やかでフルーティなノートと良く合います。
チーズの脂肪分がホップの苦味をまろやかにし、全体のバランスを整えてくれます。
4-3. デザートとIPAの意外な組み合わせ
IPAとデザートのペアリングも、意外と合う組み合わせです。
IPAのフルーティなアロマと適度な苦味は、デザートの甘さと絶妙なコントラストを生み出します。
例えば、シトラス系のデザート(レモンタルトやオレンジケーキ)とIPAは、ビールのシトラスノートがデザートの風味を引き立てます。
また、チョコレートデザートやキャラメルを使ったデザートは、ダブルIPAのリッチなフレーバーと良く合います。
こうした組み合わせは、食事の締めくくりに新しい楽しみ方を提供するでしょう。
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